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首都大福東京

TOKYO METROPOLITAN DAIFUKU

首都大福東京

福吉【南阿佐ヶ谷@東京メトロ丸の内線】

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豆大福(つぶあん):130円


扁平したドーム型で60㎜を有に越える「福吉」の「豆大福」は、
少々黄色味掛かった餅に白い片栗粉が地表を取り巻く雲の様に表面を覆う。
その下にボンヤリと見える丸かったり扁平していたり挙句ひしゃげていたりと、
様々な姿の赤エンドウ豆が不均等にパラパラと埋まっている。
個別で包まれた柔らかなビニールを外してコロリとオモテに出してやる。
そんな餅のハリは十分で少し強く押した位では凹む事などアリもせず、
余裕綽々でその扁平ドーム型を保ち続ける。
片栗粉の剥落自体も少なく表面を覆っている以外に余剰した感じが無いので、
不意を衝いて貼り付く赤エンドウ豆が融解した餅の干渉を、
剥落した片栗粉でやり過ごし大人しくさせようとしても、
味方に付けるべき片栗粉の予備が見当らない。
そんな粉っ気の薄い「福吉」の「豆大福」に急ぎ一口齧り付く。

口一杯に頬張った「福吉」の「豆大福」が繰り出す第一波は、
その分厚く纏った餅が繰り出す確かな歯応えがグニグニと継続して繰り返される。
ムッチリと千切り取った噛み口の断面が放つキラキラとした光沢は、
光の粒も大きく輝きソレは餅自体のキメの粒も大きさも表し、
伸びた餅から舌に伝わる感触もボコボコとしていて、
さながら粘りとコシが強くて粒が小さな道明寺といった食感である。
そしてその餅だからこそ成せる業なのかその旺盛な歯応えと豊富な弾性で、
歯の運動に併せて飛び跳ねている様な自身の弾力を惜しみなく披露している。
そんな勢い良く暴れまわる餅の隙を突くように、
シットリりた舌触りでありながらホロホロとこぼれ出る、
淡い食感の優しい甘さの集団が押し出されて来る。

甘さ控えめで水気のある感じなのにポロリポロリと崩れる落ちる舌触りで、
その崩れたヒトカケラを口内の至る所でニュルリと伸ばすと、
ソコに秘められた滑らかさを存分に発揮し出す奥ゆかしさがある。
ソレはやがて細かな粒子となり流動して口内を行き渡り、
其処彼処にアズキの風味を漂わせて消え失せて行く。
この滑らかさはあと一押しすればクリームと呼べるシロモノになるなと、
舌先に絡みつく甘く柔らかなアズキの風味を弄びながら考える。
やがてワラワラと半ば無理矢理餅に押し出された形で矢面に立たされた餡は、
じんわりと浸透してくる口内の水分を相棒として更に柔らかくなり果てて、
やがて融解して一つとなり再び餅に寄り添って手を取り合って弾み始める。
かつての姿を失ってすっかり変容した餡の記憶を辿っていると、
その記憶の中でチラチラと見え隠れする赤エンドウ豆の存在が浮き出て、
やがては咀嚼の記憶と直結して鼻腔に漂う大地の芳香を探し当てる。

よくよく確かめればココ「福吉」の「豆大福」に込められた赤エンドウ豆、
塩気はシッカリと効いていているのだが比較的柔らかな仕上がりで、
いつも通りに勢いよく噛み砕くと種皮も中身も途端にボロボロと崩れて粉々になり、
挙句そのまま調子に乗って噛み続けると押し寄せてくる粒餡の柔らかな海に飲み込まれ、
赤エンドウ豆の種皮なのかアズキの種皮なのか区別が付かなくなってくる。
とはいえそこは大きさと物量にモノを言わせて、
次々と餅の中から現れる赤エンドウ豆の団体様御一行。
逐一迎え撃っていればプチプチと弾ける様な食感を幾度となく脳に刻み込む事になり、
知らぬうちにその控えめな存在感の赤エンドウ豆を覚えてしまうのである。

そして所見の餅に散見していた事象に到達して、
ナルホドナルホド「福吉」の「豆大福」を覆う餅の表面で赤エンドウ豆が、
丸かったり扁平していたり挙句ひしゃげていたりしていたワケだったのかと、
思わぬ所で思わぬ謎の解明に至る事になったのでした。



福吉
東京都杉並区阿佐谷南1丁目13-17
10:00~19:00
不定休
2a出口を左に折れ青梅街道を進み杉並区役所角を左折後、直進の果てで突き当たりを右へ行った先。