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首都大福東京

TOKYO METROPOLITAN DAIFUKU

首都大福東京

えびす製菓【金町@常磐線】

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豆大福(つぶあん):150円


金町「えびす製菓」の「豆大福」は全長約70㎜という少々度を過ごした大きさで、
その上体高もあり見事なドーム型を形成しながらビニール袋の中にミシリと収まっている。
その表面には豊かなハリを湛えた餅に散らばっている赤エンドウ豆達が、
出ていたり埋もれていたりと思い思いの姿で点々と散らばっている。
一見すれば餅の“白”に対する赤エンドウ豆の“黒”の割合は少なく映るのだが、
よくよく目を凝らせばその数はかなりのモノであり、
一般的な「豆大福」に置き換えて投影するとソレはきっと“かのこ”みたいになってしまう事だろう。
そのどデカい塊を袋から慎重に取り出す。
言わずもがな当然重い。
指先で摘んでなどとゆるい行為が成せるワケがない巨躯を五指総動員で持ち上げれば、
表面を覆う餅は大変に柔らかく柔軟なコシも備えており指先の形に沿ってゆっくり窪んで、
静かに沈下し始めてやがては中心部にある塊の手前まで誘ってくれる。
しばらくすると自重を支えきれなくなった餅は伸び始め「豆大福」が沈下を始めたので、
一旦卓上へ戻すと“ドシン”と音を発して着地をするという、
コレまた「豆大福」にしては珍しい現象を見せてくれるのであった。
そして親指で天頂を支えつつ残りの4本を底部に潜り込ませヒョイと掬い上げ、
チョットした中華まんの様なそのデカイ「豆大福」の横っ面に齧り付く。

まず前歯を、ソレこそ城壁の様な圧倒的存在感を発揮する餅が立ちはだかる。
真っ向勝負で力を込めて突き進む前歯を餅は華麗にいなしながらも押し込まれ、
やがてその密が限界に達した末に最後はザクッという凡そ餅らしさとはかけ離れた音を発し、
その巨体は寸断されるがそれでもせいぜい全体の30%強程度を口内へ取り込むのがやっとである。
言わずもがな餅は当然のごとく分厚く、
その分厚さが隊列を乱すこと無く一斉に束となって口内を制圧してくる。
ほんのりと塩気を発っしてコシが強くハリも当然上等の程よい粘りと延びをも併せ持つ、
餅としてのコンプリートプレイヤーっぷりを発揮するその断面もキラキラ光って潤いを誇っている。
なので口内はたちまち餅の柔らかさと弾力と風味で一杯に満たされ、
時折ソコに表層部分にあった赤エンドウ豆たちがその柔らかな水面に揺蕩いながら、
次々に飲み込まれて行く様子が感触として伝わってくるのが認識出来る位なもので、
当初はただひたすらに膨大な量の餅をクニクニと咀嚼する事に時を費やす。

やがて柔らかな餅の時期は終わりを告げ奥底から現れる、
強くはないがシッカリとした甘さと風味を発揮する粒餡による彩りが与えられると、
口内にあった“餅”は“大福”であることを思い出す。
優しい甘さでアズキの風味も濃厚な粒餡はアズキ感を醸し出す粒感は少ないが、
滑らかなしたざわりで流れるような食感の中にシャリシャリとアズキの皮がアクセントを生み、
ソコから更にアズキの風味が増幅されて舌にジンワリと染みこんでくる。
そんな粒餡を舌でも弄んでいると舌先に転がり込んでくるホロホロを目の当たりにして、
ココ「えびす製菓」の「豆大福」にある“豆”が風変わりなことに気付く。

塩気がシッカリと効いた赤エンドウ豆は舌で刮げればクニュっと潰れる柔らかさで、
赤エンドウ豆の風味と豆本来の甘味が塩気を得て一層引き立ち口内に香る。
その数は当然大量であり柔らかな仕上げに惑わされ気味だが、
とはいってもその柔らかく仕上がった食感もコノ大量で柔らかな餅の中でなら硬いのであり、
隠し切れない存在感が柔らかな餅に紛れてシッカリ発揮されている。
ナルホドコレがごく一般的な赤エンドウ豆の硬さで混ぜ込まれていたら、
この「豆大福」がいくら巨大でも逆に異物感が増してしまいそうである。
この柔らかな餅、と言うよりはこの巨大な「豆大福」だからこそこの赤エンドウ豆という、
何よりもこの大きさ有りきで存在している稀有な逸品といえる。




えびす製菓
東京都葛飾区東金町1-37-1
8:40~20:00(月曜日は18:00まで)
元旦 定休
北口に出てロータリの右手を迂回して金町駅前団地へ向かう先の3本目の右折路の少し先。