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首都大福東京

TOKYO METROPOLITAN DAIFUKU

首都大福東京

御菓子司 三陽【新富町@東京メトロ有楽町線】

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豆大福(つぶあん):140円


世間的に新富町の「御菓子司 三陽」は「水大福」が有名である。

だがしかし「御菓子司 三陽」には「豆大福」もある。
それがまた極めて白い「豆大福」なのである。

ネットで検索を掛ければ小金井の「御菓子司 三陽」と並び弾き出される、
いわば「御菓子司 三陽」の2トップの一角である。
そのうえコチラ営業が平日のみという立地的に見合ってはいるが、
余所から買い求めるには多少ハードルが高いお店である。

その約50㎜の慎ましやかな様子で佇む表面には余す所無く大量の片栗粉が塗され、
それこそ多少の振動では剥落しない位かなりしっかりと付着していている。
その厚塗りの片栗粉の下からは薄ぼんやりしたシルエットで、
辛うじて自己の存在を主張する赤エンドウ豆が確認できる。
とはいえその控えめに出っ張った箇所を見ると結構な数の混入が認められ、
真白の表面に僅かながら黒い染みの様な影を浮かび上がらせている。

そのドーム型のカマンベールチーズの様な「豆大福」は、
結構大胆に手に取ってみるが剥落する片栗粉は少なく、
受けた手の平には僅か数か所にポツリと斑点を作り出すのみであった。
そこまで白で塗り固められていながら餅自体は見事なハリを保ち、
ヒョイと摘めばその指先は半球状に凹みはするがソレもほんの一瞬で、
指先が離れた途端にすぐさま元の滑らかな丸みを持った表面を取り戻し、
そこには片栗粉に移った指紋だけが痕跡として残されるのみである。
これはきっと枕にしたら肩こりとは無縁の安眠生活が送れそうだと思ったが、
使用期限が一日の枕では如何ともし難い話である。
そんな妄想を膨らませながら齧り付く一口目。

先ずは口一杯に広がる片栗粉の風味。
普段見慣れてはいるがじっくり味わった事が無いモノと初めて対峙して、
そりゃあんだけ大量に付着していれば味も香りもに十分認識出来ますわなと、
殊更思いながらもナルホド片栗粉ってこんな味なんだと知る。
その後に改めて噛み締める餅の感触の柔らかさとそれに伴う瑞々しさと、
クニクニとした歯応えの合間に伝わる米の香りと餅に秘められた潤い。
そのバランスの取り持つ様なコシはクイッと伸ばしても途端にブチッと千切れ、
「豆大福」の表面を覆うハリはその感触をそのまま噛み応えへと直結して行く。

その餅の感触を堪能する傍からゴロゴロと口内で暴れまわるのは、
餅と粉の作り出す白い壁の向こうに隔てられ囲われていた囚われの赤エンドウ豆。
表面上では一向に姿を見せなかった秘められた豆が、
ココに来てようやくその存在を主張し始める。
その潜在能力はシッカリした塩気を放出して何時までも漂わせつつ、
一端噛み砕けばグシグシと容易く崩壊して行く柔らかな仕上がり。
そしてその数は一口当たり複数個は当たり前の超過密状態で、
白い壁の向こう側にこれ程の世界が隠されていた事に只々圧倒される。

その目を見張る新富町「御菓子司 三陽」の「豆大福」のシンガリを務めるのが、
マッタリとした甘さを餅の狭間からジンワリと伝える粒餡。
水気が程々の餡が餅の持つ瑞々しさを更に引き立てていて、
その餅にシッカリと絡み付くような粘度の高さをもって、
その優しい風味の粒餡はアズキの皮がもたらす感触を、
舌先と口内に残しつつスーッと甘さと柔らかさの塊を喉の奥へと誘って行く。

小金井の「御菓子司 三陽」とはまた一味違う、
新富町「御菓子司 三陽」の「豆大福」を存分に味わいつつ、
だが都内にはまだ幾つも「御菓子司 三陽」が存在する事を包装紙に記された住所で知り、
ソレも含めて何かの御縁と受け取って残る「御菓子司 三陽」を訪れ、
その店の看板商品と共に店頭に並んでいるハズの、
その店独自の「豆大福」も食べてみたいという欲求が芽生え始めるのである。




御菓子司 三陽
東京都中央区入船3-4-11
9:00~19:00
土・日・祝 定休
7番出口から都道473号を佃大橋方面へ進んだ最初の曲がり角を左折。その先のT字路角。